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フリーランス美容師になってやるべき手続きと準備

2021年7月11日

フリーランス美容師|手続きと準備

最近はどの業界もフリーランスという働き方が定着して、美容師も昔より多くの方がフリーランスとして活躍されていると思います。

フリーランスは決まった働き方に縛られず、自由に出来る一方で、確定申告や保険の支払いなど全て自分で行う必要が有ります。

フリーランスになったけど、何の手続きや準備をしたら分からない、フリーになろうと思うけど一人で出来るか不安、という方も多いと思います。

この記事ではフリーランスの美容師に必要な手続きと準備、事業開始後に必要な事を解説して行きいたいと思います。

執筆している私は、正社員からフリーランスになって4ヶ月目の面貸しスタイルの美容師です。実際に一連の準備をして実行してきました。

この記事がおすすめの方

  • 店の開業ではなく、業務委託か面貸し(シェアサロン)として働く
  • 会計士に依頼せず自分で確定申告(出来れば青色申告)をしたい
  • 事業開始後に日々やるべき事を知りたい
  • どんなものが経費になるか知りたい

フリーランスになったら必要な手続き

ここからは、前職を退社直後〜フリーランスとして活動開始直後に必要な手続きを説明していきたいと思います。

期限がある物もあるので、早目に知って把握しておく事をおすすめします。

開業届・青色申告承認申請書の提出

フリーランスになったら、個人での事業になるので「個人事業の開業届出・廃業届出書」を住まいか、事務所の所轄の税務署に提出します。提出期限は事業を開始してから1ヶ月以内です。

青色申告をしたい事が決まっている場合は、この開業届と同時に「所得税の青色申告承認申請書」も提出します。提出期限は、1月1日~1月15日までに開業した場合は3月15日まで、1月16日以降に開業した場合は事業開始日から2ヶ月間です。

提出期限を過ぎると、青色申告事業者として承認されないので、余裕を持って提出しましょう。

提出方法は税務署に直接提出するか、郵送する方法があります。私は「マネーフォワード クラウド開業届」というサービスを利用して郵送しました。

簡単な質問に答えて必要な情報を入力するだけで、自動で開業届や青色申告承認申請書を作成してくれます。利用料は無料です!

青色申告のメリット

まずは、青色申告の事について簡単に説明します。青色申告は複式簿記という帳簿付けで申告する事によって、最大で65万円の特別控除が受けられるなど、非常にのメリットがある申告制度です。

  • 最大で65万円の特別控除
  • 3年間の赤字の繰越が可能
  • 家族への給与(経費)の上限が無い
  • 事務所(自宅等)の光熱費などが少量でも経費に出来る。

特別控除以外にも3年間の赤字の繰越が可能で、万が一赤字になった年があって、次年度が黒字だった場合は、その損失と利益を相殺する事によって所得税を減らすことが出来ます

家族へ給与を支払う場合も白色申告の様に上限がありません。

白色申告は自宅をオフィスにした場合、大部分を事業で利用していないと経費計上できませんが、青色申告は一部でも経費に入れられます

青色申告の複式簿記は、専門知識が無いと難しいですが、今は簡単に処理できる会計ソフトがいくつもあります。私も自力で青色申告の予定ですが、会計ソフトを利用して簡単に帳簿づけをしております。

国民健康保険への加入

サロンで正社員として働いている時は、「全日本理美容健康保険組合」か「東京美容国民健康保険組合」に加入している方が多いと思います。

個人になると国民健康保険への加入が必要なので改めて手続きをします。手続きは、住まいの区役所や市役所に、マイナンバーカードや印鑑、前の職場で加入していた「資格喪失証明書」を提出します。

美容業界は正社員でも未だに国保のお店もあると思いますが、そういった方は特に手続きはいりません。(※)

(※)退職と同時に引っ越した場合は住所変更などの手続きは必要です。

東京美容国民健康保険組合は事業主として加入も

私は正社員の時、東京美容国民健康保険組合に加入していました。東京美容国民健康保険組合は殆ど国民健康保険と補償内容は変わりませんが、所得の多さに関わらず保険料が定額というメリットがあります。

国保は所得が増えれば増える程、保険料が上がるので稼ぐ程、保険料の負担が増えてしまいます。

お店が変わるので、そのまま残す事は出来ませんが、一度組合を出て再度、事業主として加入する事は出来るので、私は再度加入しました。

収入がある程度見込める方は、再度事業主として加入した方が、国保より保険料が低くて済むので入り直すことをおすすめします。>東京美容国民健康保険組合保険料

ただ、この方法には条件があります。

  • スペースを借りるサロンなどの、保健所の許可書のコピーを貰う
  • そのサロンと雇用関係に無いという証明書へ記入してもらう
  • 開業届等のコピー

借りるサロンとの関係性によりますが、以上の事をクリアすると、サロンの名前を借りて事業主扱いという形で再度加入出来ます

詳しくは東京美容国民健康保険組合に問い合わせて頂くと、必要書類を自宅まで送ってもらえます。

国民年金への加入

厚生年金保険ではなくなるので、国民年金へ加入をします。年金手帳を持って(手元に無ければ基礎年金番号を控えて)住まいの区役所や市役所で手続きします。

私は手元に年金手帳が無かったので、基礎年金番号を控えていきましたが、それすら必要無かったです。身分証明書(出来ればマイナンバーカード)があれば直ぐ手続きが進みました。

会社が脱退の手続きをしてくれていら終わっている場合もあります。

フリーランス(事業主)として事前に準備した方が良い事

続いてはフリーランス(事業主)を開始するにあたって、事前に準備しておいた方が良い事を説明していきます。

先に準備しておくと、日々の会計処理などがスムーズになるので、早めの準備をおすすめします。

事業用の銀行口座

普段使っている銀行口座とは別に、事業用の銀行口座を用意します。

理由は、お金の出入りに関する明細は保管義務があって、プライベートのお金の出入りと混ざってしまうと、それを遡った時に事業による収入や支出なのか把握しづらくなるからです。

申告に不備があって税務調査になった時などに、口座の明細を見せる必要があります。この時にプライベートの出入りとごちゃ混ぜになっていると管理の雑さを疑われます。必ず事業部分の出入りをしっかり把握しておく必要があります。

専用の口座をネットバンクにする事で、会計ソフトと連携して帳簿づけを簡単にする事も可能が、プライベートの支出や収入が混ざると、無駄な処理が増えてしまいます。

事業用クレジットカード

クレジットカードも銀行口座同様、プライベートのお金の出入りが混ざってしまうとデメリットが多くなります。混ぜない事で会計ソフトに連携させた時にとても分かりやすく処理できてスムーズです。

会計ソフトに連携させて、可能な物は全部クレジットで払うと、帳簿付がほぼ自動になります。

事業用の交通系電子マネー

フリーランスになると、交通費も全て経費として支払います。

勤務地がバラバラだったりすると、定期券では無いので細かな明細になります。その際、明細を見返した時、どれが事業の乗車なのかを把握する必要があります。

私は事業用モバイルSuicaを発行して利用しておりますが、こちらも会計ソフトと連携可能なので、多くなる乗車も簡単に帳簿付け出来ます。

会計ソフト

ここまで青色申告を行う前提でお話ししてきましたが、青色申告は複式簿記といった特殊な帳簿付けが必須条件です。

会計士さんにお願いするなら簡単ですが、売上が多くないと相談料が割高になってしまうので、自力でやるならクラウド型の会計ソフトがおすすめです。

クラウド型なので、OSやデバイスを選ばず、ネット環境があれば何処でも帳簿付けが可能です。

予約管理システム(アプリ)

業務委託でホットペッパービューティーなどを利用しているお店であれば、店舗名を伝えるだけで大丈夫です。ですが、面貸しなど、お店の予約システムを利用できないパターンでは、予約管理システムを用意する必要が有ります。

ご予約をメールやLINEでやり取りする方法もありますが、件数が多いと返信が大変でサロンワークに集中できません。お客様にとっても、返信が遅いと予定が決まらず不便に感じる事が多いと思います。

私は、「LiME」というアプリを使っていますが、このアプリはカルテ機能、LINE連携予約が付いていて、全ての機能をスマホのみで利用することが出来てとても便利です。

元美容師の方が立ち上げたベンチャー企業が開発しているので、美容師にとって使い易い事と、従量課金型なので売上が少なければ、利用料も少なくて済みます

事業開始後にやるべき事

続いては手続きと準備が終わって、事業開始後に日々やるべき事を説明していきます。

経費の領収書の保管

備品の購入や接待などの支払いを経費から支払う場合、領収書やレシートを7年間保存する義務が有ります。無くさない様に整理して都度保管する様にしましょう。

前述しましたが、私は会計ソフトにクレジットカードを連携させて、支払えるものは全てクレジットカード(電子マネー含む)で支払っています
そうすると帳簿付けがほぼ自動化出来るので、後は取っておいた領収書(レシート)と照らし合わせて確認するだけで済みます。

美容師が経費に出来るもの

美容師が経費に出来るものを、簡単にまとめました。

※なるべく確実性の有りそうな物をまとめておりますが、心配な方は専門家にご相談ください。

経費のジャンル詳細
道具類鋏、コーム、ダックカール、カラー手袋、ブラシ等、施術に必要な道具全て
道具のメンテナンス費鋏の研ぎ、バリカン(トリマー)などの修理費等
文具ノート、領収書、印鑑など仕事に使う文具全て
交通費電車、バス、タクシー等
通信費(※)携帯代、インターネット、郵便等
広告宣伝費予約管理システム(アプリ)、チラシ等
家賃、光熱費(※2)事務所家賃、電気、水道、ガス代等
面貸し利用料(※3)間借りスペースのレンタル等
接待交際費お客様との飲食費、取引先への差し入れ等
会議費取引先とのミーティング飲食費、事務作業の場所代(カフェなど※4)等
衣装代(※5)洋服、靴等

(※)携帯代、インターネット料金は事業専用で契約している場合は、全て経費になりますが、プライベートと共用で使っている場合は、事業部分のみが経費になります。

(※2)事務所の家賃や光熱費もプライベートと共用で使う場合は、事業で使っている割合のみが経費になります。

(※3)シェアサロンの様に使う時間分の場所代を払う場合は全て経費になります。

(※4)事務作業等で一人でカフェなどを利用した場合、飲み物の部分だけ経費になります。食事部分は経費になりません。

(※5)仕事の服装がいつも決まっていて、制服として購入している場合は経費になりますが、プライベートでも着る洋服は経費になりません。ただ、仲間の美容師は会計士さんを通して衣装代として申告できている人もいるので、グレーゾーンかなと思います。私は今の所、経費にはしていません。

日々の帳簿付け

毎日出た売上や、使った経費を帳簿に付けていきます。

私は数日貯まったら、クラウド会計ソフトを利用して入力しています。ネットがあれば何処でも、どんな端末でも利用できますし、銀行口座やクレジットカードと連携させると、勝手に帳簿付けができて非常に便利です。

まとめ

フリーランスになる前は、どうしたら良いか何かと不安ですが、手続きや日々処理する事が分かれば、全然難しいことは有りません。

面倒な帳簿付けなどもシステムに任せて、後は一人での仕事を楽しむだけです!

以上の事が参考になれば幸いです。
最後まで読んで頂きありがとうございました。

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