最近は業務委託の美容室が非常に多く存在しています。
ある程度美容師の経験を積んできたスタイリストは、新しい職場の選択肢として、その様な美容室を候補に挙げる事も多いんではないでしょうか。
ただ、業務委託を選択して個人事業主となると、不安定な収入や自分での確定申告など、心配な部分が多いですよね。
今回は経験を踏まえ、そんな業務委託のメリット、デメリットをお話していきたいと思います。
私の経歴
都内激戦区を中心に小〜大規模の美容室を5店舗経験
29歳〜37歳まで店長
37歳〜40歳までサロンワーク+マネージャー
現在はフリーランスで活動中
フリーランス準備編
業務委託のメリット
ではまず、業務委託の美容師には、どの様なメリットあるのか解説していきます。
休日や出勤時間が自由

休日や出勤時間を自由に決めれるお店が多く、今まで不可能だった土日休みや、長期のお休みを取る事が可能です。
接客業の常識を覆すこの部分は、業務委託の1番のメリットではないでしょうか。
やった分だけ報酬が貰える
基本的に仕事した売り上げ分の40〜60%くらいが平均的な報酬になります。
普通のお店では、手が開くと他のスタイリストの手伝いをしたり、結局給与分以上の仕事をしてるのでは?という疑問が湧いてくると思います。
「やった仕事のみの報酬」という部分が、ハッキリしていてわかりやすいのは、業務委託のメリットだと思います。
ミーティングや練習会などが無い
お店の閉店後などに行われる、ミーティングやアシスタントの練習会などが殆ど無いので、自分の仕事が終われば直ぐに帰宅できます。
節税が可能
個人事業主になるので確定申告が必要ですが、仕事で使う道具や接待費などを経費として落とす事ができます。それにより利益の部分を減らし、払う税金を下げる事が可能です。
注意点
後々住宅の購入などを考えている方が利益を下げすぎると、ローンが通りづらいなどのデメリットになる事が有ります。
確定申告関連
業務委託のデメリット
今度は逆に業務委託によるデメリットを解説していきます。
給与が安定しない

完全歩合のお店が殆どなので、保証給はありません。お客様の数が少なければ給与も少なくなります。
閑散期には少し生活が厳しくなる事もあるかもしれません。
福利厚生が無い
個人事業主なので、保険関係は全て自分で払う形になります。
厚生年金や美容国民健康保険ではなくなる(※)ので、保障内容が多少下がったり、支払いが多少高くなる事があります。(※2)
交通費や住宅手当などの手当てもないので、報酬から経費として自分で支払います。
(※)委託を受けている美容室の名前を借りれる場合は、事業主として加入する事も出来ます。
(※2)美容国民健康保険の保障内容は国民健康保険とほぼ同じですが、掛け金が一律な分、所得によって掛け金が上がる国民健康保険より少しお得なる場合があります。
手伝って貰えない
基本アシスタントが居ないので、全ての準備、シャンプーなどの施術を自分一人でやらないといけません。思ったよりカットなどの時間が押した場合、次のお客様をそのままお待たせしてしまう事があります。
フロントも居ないお店が多いので、忙しくても皆で電話対応しなければなりません。
誰にも怒られない
個々の仕事なので、余程の事で無ければ誰かに怒られたり、怒ったりする事が有りません。
自分がしっかりしていないと、どんどん自分に甘くなってしまいます。
ローンなどが組みにくい
個人事業主は正社員より不安定とみなされる為、住宅ローンなどの審査に通りづらくなります。
こんな委託サロンがおすすめ
経験上、業務委託で働くなら、こういうサロンが良い、と思う部分をまとめました。
- 1日を通して新規の数が安定している
- しっかりと広告費をかけている
- 予約サイトなどの口コミが良い
1日を通して新規の数が多くて安定している

自由な日時でシフトを決めたものの、いざ自分が出勤する日時が暇では殆ど稼げません。
フリーや新規のお客様が多く来店されるお店を選びましょう。
しっかりと広告費をかけている
広告費をしっかりとかけている委託サロンは、スタッフにブログやスタイル撮影などの営業活動を強要しません。
もちろん美容師としてはやった方がいいですが、営業活動が絡んでくると結局自由には働けなくなります。
口コミが良い
業務委託のサロンは自由な働き方な為、どうしてもお店のルールがアバウトになりがちです。
その中でも口コミが良いサロンは、ある程度しっかりルール決めがされていると思うのでオススメです。
逆に口コミが荒れているサロンは、ルールが定まってなく無法地帯と化している場合があるので、やめておいた方が良いです。
まとめ
正社員でも未だに福利厚生が無いお店も多いので、余程そういったお店に居たい理由が無ければ、業務委託の方が働き易いのでは無いかと思います。
独立を考えている方は、集中して資金を貯めるのにも良い業態だと思います。
ただ、繰り返しになりますが誰にも指導されないですし、誰も指導しません。自分でプレッシャーをかけないと、美容師としてのスキルはどんどん下がっていってしまうと思います。
以上参考になると幸いです。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
フリーランスに決めたら