美容室に通うにあたって一度は悩む事柄の中に、「美容師は指名すべき?」や「指名は変えても気まずくない?」という事があると思います。
私も長年美容師をやらせて頂いておりますが、実際にそのような悩みで、家族からも相談を受けた事があります。(遠方なので家族の髪は現在切っておりません)
今回はそういった悩みを解決できるよう、私から見た意見をまとめてみたいと思います。
指名をするメリット
まずは指名をした場合のメリットから見ていきましょう。
2回目以上からは説明が不要
2度目の来店時に前回と同じ感じが良ければ、同じ事を伝えなくて済みます。ちょっと変えたい時も、前回のデータがあるので、「ここをちょっと短く」というような微調整が可能になります。
カルテがより正確に出来上がっていく
何度も担当させて頂くとデータが貯まっていくので、カットや使用薬剤のベストが出来上がっていきます。ベストがわかると、よりスタイリングしやすいカットや、傷みにくいカラーリング、パーマを施す事が出来るようになります。
後は加齢による髪質の変化にも柔軟に対応する事ができ、より良い仕上がりに近づける事が可能になります。
より高いパフォーマンスを期待できる
指名される事で、より使命感というか責任を感じるので、「もっと期待に応えなくては」という気持ちになります。
要するに、良い意味で担当美容師にプレッシャーをかける事ができます。
指名をするデメリット
今度は指名する事でのデメリットです。
指名料がかかる
指名料がプラスで発生するお店が殆どだと思いますので、毎回のコストは上がります。
予約が取りづらくなる
同じスタイリストを指名すると、どうしても予約は取りづらくなります。
特に人気のスタイリストの場合、先まで予約が埋まっていて自分が行きたいと思った時にいけない事が多くなります。忙しい方はちょっと不便に思うかもしれません。
同じだと飽きてくる
1人のスタイリストに長く担当してもらうと、どうしても同じテイストになりがちです。イメージチェンジ希望の時は明確な写真などを持参して、しっかり伝えないと、大幅には変わりづらいと思います。
指名をしないメリット
今度は指名しない場合のメリットを見ていきます。
予約が取りやすい
いつでも誰でも良ければ、空いてる時間の幅が広がるので予約は取りやすいくなります。
基本料金のみで良い
指名料はかからないので、基本料金のみで済みます。
気兼ねなく行ける
指名する、しないの気まずさを気にする事がないのでいつも同じテンションで来店する事ができます。
指名をしないデメリット
最後に指名をしない事でのデメリットです。
細かい説明が毎回必要
カルテはあっても、担当が変わると細かい部分は毎回聞かれるので、少し面倒だと思います。
仕上がりにバラつきが出る
同じようにカルテがあっても担当が変わると全く同じようには仕上がりません。同じヘアスタイルにカットする場合でもスタイリストによって部分部分、切り方の行程も、使う鋏も違うからです。
特にパーマに関しては、使う道具と薬剤が同じでも、巻く時の力の加減で簡単に仕上がりに差が出てしまいます。
指名は続けた方がいい?
指名をしていて、ある程度時間が経つと「今の担当で本当にいいのかな?」と疑問に思う事があると思います。そんな時に、指名を継続した方が良いケースと、変えた方が良いケースはそれぞれどんな所か見ていきましょう。
指名を継続した方が良いケース
新しい提案をしてくれる
トレンドや季節が変わるタイミングで、新しいスタイルを提案してくれる美容師はいつもお客様の事を考えています。このケースは指名していて間違いないと思います。
前の施術を正確に覚えている
これは当然の事ですがカルテの記載が正確で、前回までの要点をしっかりと覚えていてくれる美容師も、お客様思いの美容師だと思います。指名していても安心出来ます。
指名をやめた方がいいかもしれないケース
希望を聞いてくれない(同じヘアスタイルばかり勧めてくる)
自分に絶対的な自信を持っていて、お客様が飽きてるのに「絶対にこっちの方が似合います」「それはやめた方がいいです」と頑なに希望を聞かない美容師は、ちょっと微妙かもしれません。
気づけば「ずっと同じ髪型になってるな」と思う日が来るでしょう。
前回の施術を覚えていない
これはもはや問題外なケースなんですが、ちゃんとやってそうに見えてカルテの記載がテキトーな美容師が稀にいます。
過去の薬剤などの記載が不正確だと、次に調整できないので一向にベストな薬剤や方法が導き出されません。最悪、同じオーダーしても違う仕上がりになります。
早めに違う美容師をみつけましょう。
アシスタントに偉そう
厳しいのは良い事ですが、アシスタントに必要以上に偉そうなスタイリストは、私が知る限りではろくな人はいません。
自分のお客様に接する部下のテンションを、無駄に下げるような行為をするスタイリストはアウトです。
指名を変えたら気まずい?
これもよく聞く話なんですが、全く気にする必要はありません。指名が変わってしまう事は、どんなスタイリストでも経験しているので変に思ったりする事はありません。
ただ、中には嫉妬心などからスタッフ同士が変な空気になっている美容室があるかもしれませんが、そのような美容室は速やかに変えましょう。お客様に気を遣わせる様なお店は教育が行き届いていない可能性があるので問題外です。
まとめ
指名料や予約の取りづらさなどのデメリットより、自分の髪の状態を充分に把握してもらえて、色んな提案や仕上がりの向上を期待できるメリットの方が上回るので、指名した方が良いと思います。
ただ拘りがあまりなく、少々いつもと違ってもよい方は、指名しない方がメリットが多いので指名は必要ないかと思います。