世界一売れた椅子として有名なYチェア(CH24)ですが、美しいデザインや自然な木目を生かした木の風合いがとても魅力的な椅子だと思います。
代表的な仕上げはソープ仕上げやオイル仕上げになっていて、手で触れるとすべすべと気持ち良い手触りがします。
ナチュラルな仕上げは風合いが良い反面、定期的にメンテナンスをしないと乾燥したり汚れていってしまいます。
今回は、そんなYチェアに必要なメンテナンス方法と実例を紹介させて頂きたいと思います。
面倒なイメージがあるかも知れませんが、特にソープフィニッシュはメンテナンス後の変化が大きいので、やり甲斐も有って楽しいです。
Yチェアを購入前でメンテナンスを自分で出来るか不安な方や、メンテナンスが初めての方におすすめの記事になっておりますので是非最後までご覧くださいませ!
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Yチェアお手入れ|ソープ仕上げ編
先ずは日本人にとって聞きなれないソープ仕上げのお手入れから紹介させて頂きます。
デンマークなどの北欧の家具ではメジャーな仕上げで、名前の通り石けんを使った仕上げになります。
石鹸は油分によって木を保護し、汚れを付きにくくしてくれるなどの効果があります。
お手入れの頻度は最初は2週間~8週間おきにマメにしましょう。
石鹸の力でお手入れする事によって、汚れも落ちて購入時の様なまた白っぽい仕上がりに近づける事が出来ます。
初めのうちはマメにお手入れが必要ですが、繰り返すうちに油分の層が厚くなるので、その後は半年空けても大丈夫になります。
Yチェアについてまだ詳しく知らない方は、こちらの記事で解説していますので是非ご覧下さい。
Yチェア解説記事
用意する物
- サンドペーパー(#400程度)
- 綺麗な布(タオルなど)
- 純石鹸(石けん素地100%)
- カッター
- スポンジ
- ぬるま湯
サンドペーパー
400番程度の目の細かいサンドペーパーを用意します。
綺麗な布
使い古したタオルやTシャツの切れ端などで大丈夫です。綺麗に洗濯して使用しましょう。
純石鹸
無添加で石けん素地(脂肪酸ナトリウムや脂肪酸カリウム)100%の物。
カッター
どんな物でも大丈夫です。
スポンジ
キッチンで使っていた物など何でも結構です。
※食器用洗剤と混ざると良く無いので、こちらも綺麗にしてから使用して下さい。
ぬるま湯
40℃前後くらい。
メンテナンス手順
上の画像は購入後2年経過したYチェアです。
初めの5回くらいはマメにやっていましたが、1年くらいサボっていて持ち手の部分が特に汚れています。
では実際にお手入れしていきましょう♪
step
1汚れや傷が酷い所をサンドペーパーで軽く研磨する
汚れや傷が酷い場合は400番程度のサンドペーパーで軽く研磨します。
必ず木目に沿って優しく研磨しましょう。
※汚れが特に気にならない場合は飛ばしてstep②に進んでください。
step
2マスキングテープで座面を保護
座面のペーパーコードが濡れないように木部との境目をマスキングテープで保護します。
step
3石鹸をカッターでフレーク状にする
石鹸を溶けやすくする為カッターで薄くフレーク状にします。
解けやすくする為、なるべく薄めにスライスしましょう。
step
4ぬるま湯に石鹸を溶かしてスポンジで泡立てる
フレーク状にした石鹸をぬるま湯に入れて溶かし、スポンジで泡を作ります。
泡がある程度モコモコになったら大丈夫です。
ポイント
泡が緩すぎると塗布しづらく椅子が湿り過ぎてしまうので、しっかり泡立てて緩い場合は石鹸を追加しましょう。
step
5出来た泡を木部に塗布し余分な泡は拭き取る
出来た泡を木部に撫でるように塗布します。
泡を置く様なイメージです。
木が湿った状態で強く擦ると、表面がカサカサして毛羽立ってしまいます。
全体に塗布完了後。
泡が固まっているとシミの原因になるので、乾いた綺麗な布で軽く拭き取ります。
step
610分乾燥する
泡を軽く拭き取ったら10分程軽く日陰で乾燥させます。
step
7硬く絞った綺麗なタオルで全体を拭く
10分日陰で乾燥した後、改めて硬く絞ったタオルで優しく全体を拭きます。
step
8半日程日陰で乾燥させる
半日ほど日陰で乾燥させたらお手入れ完了です♪
ソープフィニッシュ編の仕上がり確認
それでは、ソープのお手入れ後の仕上がりを確認していきましょう。
これはこれで味がありますが、皮脂などを吸収して色が黄色くなっています。
ソープ仕上げ本来の白っぽくてサラサラとした質感がありません。
石けんの効果で溜まっていた汚れをスッキリ落とし、ソープ仕上げ特有の白っぽさとサラサラした質感が蘇りました!
特に手を置くアーム部分は皮脂が付きやすく汚れやすい所ですが、この位綺麗に仕上がります。
どうでしょうか?
面白いくらいに変わったと思いませんか?
この様にソープ仕上げは変化が大きいので、とてもお手入れし甲斐があります。
質感もまたサラサラするのが何とも気持ちが良いです♪
Yチェアお手入れ|オイル仕上げ編
次は、もう一つ人気の仕上げであるオイルフィニッシュのお手入れ方法をご紹介させて頂きます。
道具さえ用意すればソープ仕上げより簡単で、お手入れの頻度は半年〜1年に一回程度で済みます。
用意する物
- サンドペーパー(#400程度)
- ウェス(着古した白いTシャツなどでもOK)
- 木製家具用の自然塗料(オイル)
サンドペーパー
ソープのお手入れ時と同じ、400番くらいの目の細かい物。
ウェス
着古したTシャツやガーゼなど柔らかい布。
※色移りしない様に出来れば白を用意する。
自然塗料(オイル)
アマニオイルなどが主成分の自然塗料。
お手入れに使う自然塗料(オイル)はリボス社がおすすめ!
自然塗料なら有名な家具メーカーが多く利用している、リボス社のアルドボスやビボスがおすすめです!
リボス社は「地球と人」に優しいをモットーに、50年間安全で安心な自然塗料を作り続けている会社です。
人が触れる家具にも安心して使用出来ます。
こちらのアルドボスはアマニオイルなどのオイル配合で、乾燥した木製家具の油分を補ってくれるオイルです。
後述するビボスの様に蜜蝋が入っていないので、自然な艶が好みの方におすすめです。
ビボスはアマニオイルで油分を補いつつ、蜜蝋も入っているので艶と防水効果も発揮します。
ご家庭にお子さんが居て特に汚れを防ぎたい場合はこちらがおすすめです。
アルドボス、ビボス共に液状なので非常に塗りやすくて塗布量も少量で済みます。
初めての方はウェスと研磨布がセットになった物を購入すれば、直ぐにお手入れ出来るのでこちらおすすめ!
メンテナンス手順
こちらもソープ仕上げと同じ、2年使用中のYチェアです。
ソープ仕上げより艶感があるので悪くは見えませんが、実際には艶がくすんで鈍くなっています。
ではこちらもメンテナンスしていきます!
step
1硬く絞った柔らかい布で全体を拭いて乾燥
水で濡らして、しっかり絞った布で全体を拭いて汚れを落とします。
湿りっ気が無くなるまでしっかり乾かして下さい。
日頃きれいに拭いている場合は省いても構いません。
step
2汚れや傷の酷い所を軽く研磨する
小傷がある所や汚れが酷い所を400番以上の目の細かいサンドペーパーで研磨します。
step
3オイルをウェスにつけて塗布する
ウェスにオイルを付けて、木目に沿って全体に塗布していきます。
ポイント
必ずウェスにつけて薄く伸ばすように優しく塗布してください。
オイルが染み込んだウェスは自然発火する場合があるので、塗布後は必ずビニール袋などに水と一緒に入れて捨てて下さい。
step
410分乾燥して余分なオイルを拭く
乾燥しきる前に表面の余分なオイルを綺麗なウェスで拭き取って下さい。
step
5日陰でしっかり乾燥
余分なオイルを拭き取ったら、日陰で半日程度しっかり乾かします。
step
6毛羽立つ場合はもう一度研磨
仕上げ後に毛羽立つ場合は、再度優しく研磨して完成です♪
オイルフィニッシュ編の仕上がり確認
それではこちらも仕上がりを確認していきましょう。
オイルが抜けて乾燥していた所に、しっかりと浸透して艶が蘇りました。
ソープ同様、アーム部分は良く触れる部分なので油分がより抜けていました。
ソープ仕上げ程ではないですが、こちらメンテナンスする事で結構変化はあります。
まとめ
いかがだったでしょうか?
お手入れは特に難しくない事がお分かり頂けたんではないでしょうか。
個人的にはソープ仕上げのメンテナンスの方が変化が大きく楽しいので好きです。
メンテナンスのハードルが高そうに感じますが、お手入れも楽しいと思うのでソープ仕上げを一つは取り入れることをおすすめします!
日頃、革靴などの革製品のメンテナンスがお好きな方は特にに楽しめると思います!
以上の事がお役に立てましたら幸いです。
最後までありがとうございました!